PDCAとOODA

 将来起きそうなことを基準に物を考えるべきか、既に起きたことを基準にするべきか、それがPDCAとOODAの最も大きな違いだと思います。

 世の中的には計画を立てるのは良いことのように思われているように思いますが、私はそうは思いません。

 計画が正しいものと勘違いしている人は、予定と実績が合わなくなったときに「なんで予定より遅れているんだ」なんて実績の方に理由を求めたりしますが、計画というのは空想のようなものであって、それが正しいとする証拠は何もありません。それに対して、実績というのは実際に起きたことであって、揺るがしようがない事実です。予定よりも実績の方が遅れているのは、実績の方がおかしいのではなく、予定の方が実績にあっていないのです。事実に文句を言ったところで何も好転することはありません。

 将来起きそうなこと、しかし、本当に起きるかどうか分からない計画を基準に行動するよりも、実際に起きたことを基準に行動することが大事です。PDCAの1文字目は「計画」であるのに対し、OODAの1文字は「観察」です。実際に起きたことを知るのです。「なんで予定より遅れているんだ」などと言ってないで、実際に起きたことを受け入れなければなりません。PDCAとOODAが違うのは1文字目だけではありませんが、2文字目以降の違いは1文字目の違いに付随するものだと思います。

 さて、まだ実現していない将来を基準にする「計画」と、既に起きた事実を基準にする「観察」とでは、「何が必要であるか」を判断するのに大きな違いが出ます。将来何が必要になるかを考えても「将来必要になりそうなこと」までしか分かりません。必要になりそうだというだけで用意してしまっては、余計に用意した分の工数だけ遅くなります。これに対し、既に必要になったことというのは、何が必要で、それがどの程度の量なのか精度良く把握することができます。そうすることで、余計な作業を減らし、早く先に進むことができます。

 将来必要になりそうな物があるのだったら、それを思い込みで用意して余計な時間を使うのではなく、現在必要なことだけ着目することで余計な作業を減らし、将来必要になりそうなものが本当に必要になるその将来まで、最速で到達することを目指すべきだと思います。