Xさんが「B ならば C」という話をしたとします。
X: B ならば C …… ①
話として、言葉として表現されるのは「B ならば C」ですが、実際にはXさんの意識に上らない前提条件である Ax が隠れています。そのため、Xさんは実際には次の②の論理展開をしています。
X:(Ax かつ B) ならば C …… ②
話の聞き手であるYさんはXさんから「B ならば C」ということを聞きます。AxはあくまでXさんの頭の中にしかないのでYさんには伝わりません。また、YさんはYさんで、意識に上らない前提条件 Ay が隠れています。そして、Bさんは③の論理展開をします。
Y:(Ay かつ B) ならば C …… ③
ここで、次の④の式が成立していれば、XさんとYさんの会話は問題なく成立します。
(Ax かつ Ay かつ B) ならば C …… ④
④の式が成立していない場合、たとえばYさんは「Cの結論はおかしいだろう」みたいなことを言い出します。実際に論理が成立していないのは③の式なのですが、AyはYさんの意識には上っておらずXさんから聞いた式である①の式がおかしいものだと思っているのです。
XさんはXさんで、実際には②が正しいのにも関わらず①の式が成り立っていると思い込んでいるのでYさんとは話が合わなくなります。
お互い、結論のCが正しいかどうかではなくAxやAyが何なのかを考えることが、会話を成立させるための対策になります。