ユーザー業務をシステムに合わせるべき

 日本人は労働生産性が低いとよく言われますが、この原因は、システムインテグレーションでユーザー業務にシステムを合わせようとするためだと最近思うようになりました。

 ユーザーの方が立場が上だからシステムの方をユーザー業務に合わせるべきだという考え方がありそうですが、上下関係なんて考慮するから最適な解決策が見いだせなくなるのだと思います。上下関係をいったん考慮から外して、ユーザー業務を効率化するためにどうするのが最善か考え出したら、ユーザー業務をシステムに合わせることではないかと思います。

 日本は終身雇用制をやってきたので会社間での人の動きが少なく、その結果、会社ごとに独自の業務ができてしまったのです。人の出入りが少ない事業、人の出入りが少ないプロジェクトが属人化してしまい、人のやりくりに困るのは身に覚えがあるのではないかと思いますが、日本の場合は終身雇用制によって会社単位で属人化したのです。

 これは会社員にとっても不幸なことで、普段の仕事は会社独自の業務だからその会社でしか役に立たないスキルばかりが身につきます。退職に追いやられるのはそれだけリスクが高くなります。

 業務が属人化した結果、世界の業界標準であるパッケージソフトを会社独自の業務に合わせるために膨大なお金と時間がかかるようになってしまったということです。

 これを解消するためにやることとして、日本でも転職を多くして雇用を流動化させるというのもありますが、システムエンジニアとしては、ユーザー業務をシステムに合わせるようにユーザーに働きかけることかと思います。